「インディーゲーム・サバイバルガイド」を読みました。感想と独立云々の話。

「インディーゲーム・サバイバルガイド」を読みました。感想と独立云々の話。

先日発売されたばかりの「インディーゲーム・サバイバルガイド」を読んだのでそれについて簡単に感想とか書いてみます。

のんびりちょっとずつ読もうかなーと思っていたのに昨日買ってついつい一気にその日のうちに読んでしまいました。

池袋のジュンク堂で買ったら著者の一條さんのポップがありました。

サブタイトルの「ゲーム作家として生きてくためのめんどくさいことの極意」の通りに

ゲームのプログラムやデザインといった「ゲームの面白さに関連すること」ではなく、ゲームの面白さとは直接関係ないけれど、ゲームをリリースするにあたってやらなければいけないことがよくまとまっていてとても良い本だなと思いました。

ゲームの宣伝をするために必要なこと、開発をちゃんと継続するために気をつけたほうがいいこと、アプリストア・Steamストアにリリースするにあたって注意すること、ファン活動の促進やそれに対する向き合い方(ここの部分はStrange Telephoneなど制作のyutaさん協力とのこと)、といったことなどなどです。

そういったことってその都度必要が出たり問題が発生してから断片的に調べたり、人に話聞いて初めて知ったり、何が必要かすらなかなかわからないので。

実際にゲーム作っている人はもちろん、これからゲーム製作者として生きていきたくて実際に作り始める人にもおすすめだなーと思いました。

ただその場合は、これ全部完璧にやらないとダメなんだって思わず、こういったことも少しずつやる必要あるんだなって頭の中に入れておくだけでいいと思いました、!
初めから完璧にやろうと思うと挫折してしまうと思うので。

実際に活躍しているゲーム開発者さんたちの対談がテーマごとに載っていてそれも参考にも刺激にもなりすごく良かったです。

  • 「アンリアルライフ」のhako生活さん × 「果てのマキナ」のおづみかんさん
  • 「カニノケンカ」のぬっそさん × 「ジラフとアンニカ」の斉藤敦士さん
  • 「TapTripTown」のいたのくまんぼうさん × 「くまのレストラン」のDaigoさん
  • 「グノーシア」の川勝徹さん × 「ALTER EGO」の大野真樹さん
  • インディーゲーム開発者コミュニティasobu運営のチャオ・ゼンさんとアン・フェレロさん

の対談が載っています。

個人的にはこの対談だけでも買った価値十分あるくらい面白かったです。


ちょっと気になったというか考えてしまったのは電ファミニコゲーマーさんの記事のツイートで、

Q.ゲーム作りで生きていくために必要なことは?
A.まず今の学業や仕事を無計画に辞めないこと。
ゲーム作りで生きていくための指南書『インディーゲーム・サバイバルガイド』は「サステナブルにゲーム制作を継続していく」ことに重きを置いた、非常に実践的な必読書だった

という見出しがついているので、ここに反応してやりたいならすぐ独立することもメリット多いのにって意見の方も結構見られました。
自分も割と本当にやりたいなら独立賛成派なので正直ここだけ読むと、若干もやっとするし言いたくなる気持ちすごくわかりました。

(この記事もすごく面白かったので文句ではないです、一応)

そもそもどの業界においてもいつ独立するべきかって正解がないし、
その人の性格・価値観、現在の幸福度、生活環境、家族構成等の周囲の人間関係、ストレス耐性、実際どれだけ開発に打ち込めるのか、メンタル崩さず安定して生きれる生活費がいくら必要か、貯金額、再就職可能な能力・人間関係があるかどうか、などなどの要因によって異なると思っているので断言できないかなって気持ちがあります。

ただこの部分も実際本の該当部分読むと、無計画無鉄砲に現在の生活を変えるのではなく、まず一本簡単なゲームをリリースしてみようということが書いてあります。
なので見出しだけの印象とはかなり違って比較的独立賛成派の自分でも賛同できるなぁと思いました。

いろんなことわからずゲーム作り出した時って、ゲームシステムとデザインだけ面白いもの作ればそれで自動的に売れると思ってしまったり、客観的になかなかゲームを見れず自分の作っているゲームが世界で一番面白いんじゃないかと思ってしまったりすると思うので。(自分だけかもしれませんが)

実際にゲームが形になってきた時やリリースした後に、この本に書いてあるような 「ゲームの面白さに関連すること以外のめんどくさいこと」 が見えてきたり、実際には思った通りに遊んでもらえなかったり、そういう経験をしていろんなことが見えてくると思うので、
せめてそういったいろんなとこを知った上で判断した方がいいんじゃない?ということで納得感ありました。

せっかくゲーム作っているのに無理して燃え尽きてゲーム作りから離れたら悲しいよってことが書いてあります。

なんだか一人で考えてしまい若干脱線しましたが、いい本なので興味ある方にはオススメです。面白かったです。
しいて言うならもっと早くゲーム作り始めた頃に読みたかった。

なんとか楽しくサバイブしたいです。

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