「どうぶつタワーバトル」というアプリを作った話とか自分のこととか
こんにちは。スマホアプリなど個人で作っているYabuzakiです。
「どうぶつタワーバトル」という昨年(2017年)僕が作ったスマホゲームアプリがあるのですが、それについて色々と書いていこうと思います。
「どうぶつタワーバトル」についての説明を簡単にすると、「どうぶつを積んでいって落とした方の負け」というルールのみの対戦ゲームアプリです。
もともと対戦要素のない「どうぶつタワー」という1人でどうぶつを積んでいくアプリを4年前にリリースしていて、それに対戦要素を加えたものです。
ゲームアプリを作るときはインストールして5秒で遊べるアプリを作ろうと思っていることもあってどちらも本当にシンプルなアプリです。
今でも信じられないのですがAppStore、GooglePlay共にランキング1位を獲得しました。
アプリをいろんな方に遊んでいただけるようになった昨年12月からいろんなメディアの方から製作や運営についてのインタビューの依頼をいただいたりするようになったのですが、全て断らせていただいていました、、 せっかく連絡いただいたのに本当に自分は何様なんだろうと思っています、、
アップデートが全く追いついていなく時間がなかったのが大きな理由ではあるのですが、そもそも自分の中で気持ちが整理できていなかったり簡単に言葉にできないような感情もあるのももう一つの理由でした。
感謝だったり反省だったり色々な感情があるけれど自分でもちゃんと文章で残しておきたいという気持ちもあるので、気持ちを整理しながらブログとして書いてみようかなと思いました。
色々正直に書きたいので少し暗めな話が入ってしまったりもすると思います。
自分について
(興味ない方ここ飛ばして大丈夫です)
静岡出身で、今は東京23区外に住んでいる28才です。
高校を卒業してから入った地元の大学を中退してしまい、ニート・ひきこもりのような生活をして、それからもう一度実質3浪の年で東京の大学(経済学部)に入学し直しました。
大学に再入学してからも充実したキャンパスライフには全く交わることない相変わらずの孤独で特にやりたいことも目標もない生活をしてしまっていたのですが、大学2年の時にプログラミングに興味が出てきました。
ニコ動に2ちゃんねるを作ったひろゆきさんの雑談配信の録画が上がっていて、「やりたいことない人はエンジニアになればいいのに。文系でも関係ないし給料いいし。」的な話を聞いたのがきっかけでした。
ちょうどその頃自分より年下の方がiPhoneのゲームアプリを作ってヒットしているというネットの記事を見て、自分にもできるかもしれないと思いiPhoneアプリ開発の本をすぐに買いに行って勉強を始めました。
何から何まで初めてでわからないことだらけだったけど、ゲームだったり音楽だったり絵だったり文章だったり自分で何か作っている人に憧れや尊敬があったので、自分で作ることはとても楽しく充実感がありました。
簡単なゲームアプリ~~(クソゲー)~~をそれからいくつか作ってから、「どうぶつタワーバトル」の元となった「どうぶつタワー」を作り、そのとき初めてAppStoreのランキングに入りました。
楽しんでもらえるレビューは全てとても嬉しかったのですが、「帰省した時に私のiPhoneでどうぶつタワーを遊んだ母が、早くまた遊びたいために帰ってきてとせがんできます。」みたいなレビューをいただいたときに、ほとんど誰とも関わりのない生活をしているような自分が作ったものが誰かの生活に影響を与えたり、人との繋がりに良い影響を与えたりできるんだってことにすごく感動したことを覚えています。
腐った生活を続けたせいか段々と鬱と自己嫌悪に悩まされるようになってしまっていて、自分が生きる意味なんて何もないのにと思いながら生きていたので忘れられない体験でした。
就職せずにアプリを作り続けていたい気持ちもあったりしたのですが、ニコ動が好きで憧れがあったり、いい意味で自由で緩さがありそうな雰囲気を勝手に感じていたので、就活はドワンゴだけ受けました。
結果こんな経歴なのに内定いただけた上に内定者バイトまでしていただいてお世話になったのに関わらず、自分の社会不適合さが思い切り顔を出してしまったり、アプリを自分で作りつづける生活をやはり選びたくなってしまったりで内定辞退してしまいました。
今週の土日の「闘会議」でどうぶつタワーバトルも少しブースで取り扱っていただけているので、違った形にはなりましたが、ドワンゴさんと関わらせていただけることもとても嬉しいです。
僕も遊びに行ってきます。
コスプレエリアとウデ自慢エリアで関わらせていただいているので、遊び行かれるかたよろしければぜひどうぶつタワーバトルもお願いいたします。
【コスプレエリア】
— 闘会議(公式) (@tokaigi) 2018年2月9日
どうぶつタワーバトルのパネルがこちらになります✨
積み重ねるパネルも用意いたしました!お待ちしております⭐︎https://t.co/gliOYo7XpF
#闘会議 #闘会議2018 #tokaigi #コスプレエリア pic.twitter.com/KGS94BEFqA
どうぶつタワーバトルの制作と失敗
どうぶつタワーバトルはもともと僕の中で失敗作で苦しい思い出が強く残っているアプリでした。
ログを見ると2016年の10月20日に作り始めて2017年3月30日にバージョン1.0をリリースしていたみたいです。
作りたいものとかiPhoneにメモしていたのですが、アイディア自体は一応2014年からあったみたいです。
(君はクリボーってどんなものか全く覚えていない、、)
作っていた時のことってそんな覚えているわけではないのですが、「まぁこれでいいや」って部分を残さず細かいところなど妥協せずにちゃんと作ろうと思っていたのは覚えています。
(結果的に後からいろんなバグや不完全さが判明してしまったのですが、、)
日付的にこの記事の前の記事はどうぶつタワーバトルを作っていた時に書いたようなんですが、自分で読んでみると大分悩んでいそうな時期だなという感じがします。。
それでも自分の事を好きになりたいから、今は僕は自分で決めたアプリを作るということをちゃんと一つ一つこなそうとしている。少しずつ積み重ねて努力した時、自分の事が少しだけ好きになれるし、作ったアプリを楽しんでもらえた時生きていて良かったなと思う。
リリースの2ヶ月前には大部分完成していたのですが、対戦型のアプリなのでちゃんと遊んでくれる方が集まるのかが不安で不安でリリースが大分遅れていたように思います。
ただレートについてはこの時点では導入をしていなく、ニコ動で加藤純一(うんこちゃん)さんのポケモンレート戦のゲーム実況を見ながら作業している時に「レートあったらおもしろいかもなー」という軽い思いつきでレートを入れることを決めました。なのでレート計算もだいたいポケモンと同じです。
どうぶつタワーのリアルタイム対戦できる新アプリをいまさらながら作っています。常時マッチングできるくらい人集めなければ…どうしよう…!#どうぶつタワー #どうぶつタワーバトル pic.twitter.com/tuy7xI7SNh
— Yuta Yabuzaki (@planet12app) 2017年1月14日
せっかくインストールしてくれた方の対戦相手が見つからないという事態が一番嫌だったので、リリースしてしばらくは昼間でも夜中でもいつ人がきてもいいように自分でマッチング画面で待機していたりもしました。
本当はリリースと同時に広告を出して人を集めたりしたかったのですが、そんな資金はなく、人からお金を借りるほどの自信は持てていませんでした。
前作の「どうぶつタワー」を遊んでくれていた方が「どうぶつタワーバトル」も遊んでくれたりもして遊んでくれる方は少し増えたりもしたのですが、昼間でも誰も対戦相手がいないというのは普通で多いときでも5人ほどでした。
そんなギリギリの状態だったのですが、そんな中でわざと初手で負ける荒らしのような方が出てきました。1日に何度も同時接続の人が誰もいなくなるまでこれを繰り返されてしまいました。
同時接続数人の状態で故意に負ける方がいるとアプリとして全く成り立たなくなってしまいます。
完全に自分の責任ですがバージョン1.0ではBANを実装していなかったので、BANを実装したアップデートの審査が通るまでの数日間が辛くて地獄でした。
せっかく集まってきてくれた人がいなくなってしまう様子をただ見ていることしかできませんでした。
数ヶ月かけて作ったアプリをせっかくインストールしてくれた方がいても、時間帯によっては全く遊べない状況だったのですごく申し訳なかったです。
それが解決してからも、レビュー自体は星5つの評価も多く少しずつ遊んでくれる人も増えたりしたのですが、それでも常時マッチングされる状態には程遠かったです。
それからレートの下げ幅や上がり幅に上限を設けていなかったので、わざとレートを大幅に下げた上でちゃんと遊んでいる方に勝つことでちゃんと遊んでいる方のレートを大幅に下げて遊ぶ方が出てきてしまったり。
ただ楽しんでもらえたら嬉しいって気持ちで作ってしまっていたので、対戦アプリを作る上では正常に遊ばれるケースだけでなくいろんなケースを想定しなければいけないというのが完全に自分に足りていませんでした。
同時接続人数気にしながらそういった問題に向き合うのは辛く、「どうぶつタワーバトル」は自分でアプリを起動しても悲しさと苦しさしか湧いてこないようなアプリになってしまっていました。
収入的にもその頃「どうぶつタワーバトル」の広告収入は一日多くても数百円程度だったので開発費も全く回収できていなく、生活を続けるためにも他のものを作る必要があり、アプリを離れてWebサイトを作るようになっていました。
どうぶつタワーバトル流行る
そんな「どうぶつタワーバトル」なんですが11月の終わりから遊んでくれる方が増えました。
紛れもなく任天堂さんの「どうぶつの森 ポケットキャンプ」のリリースに伴いアプリストア内の「どうぶつ」関連のワードの検索数が上がったことがきっかけだと思います。
「どうぶつ」という検索ワードだと「どうぶつタワー」がここ数年トップに出てくることはたまに確認していたので「どうぶつタワー」のインストール数は「どうぶつの森」のリリースにともなって少し増えるんじゃないかなーとは思っていたのですが、「どうぶつタワーバトル」のインストール数が増えるのは全く予想していませんでした。
11月28日にOPENRECで配信しているガメオベラさんがツイッターで知らせてくれたことで「どうぶつタワーバトル」のサーバーの同時接続数が100人を超えて接続ができなくなってしまっていることを知りました。
@planet12appサーバー強くしてください!
— ガメオベラ (@MgLucario_game) 2017年11月28日
とりあえず5倍まで接続増やしました、ご迷惑おかけしました🙇🙇🙇ゆるーく遊んでいただければ嬉しいです🐼🐪🐘🐥
— Yuta Yabuzaki (@planet12app) 2017年11月28日
(みんなどうぶつの森やらないの…??)
ツイッターで面白いとつぶやいてくれた方がいたり、そこからOPENRECの配信者の方達がゲーム配信で取り扱ってくれたり、遊んでくれたみなさんが面白いと広めてくださったことでどんどん遊んでくれる方が増えていきました。
(OPENRECでは僕も配信見させていただいてコメントもたまにさせてもらったのですが、みなさん温かく迎えてくれて改善点や意見などもいただけてありがたく幸せでした。)
どうぶつの置き方によっていろんな用語を作ってくれたり、遊んでくれている方々がどんどん盛り上げていってくださいました。
AppMedia【どうぶつタワーバトル攻略】用語集【DTB】
僕としては全く予想していなかったe-Sports的な楽しみ方もいろんなところでしていただけていた光景もすごく不思議でした。
どうぶつの物理挙動がおかしくとんでもないバグが起こってしまったりもしたのですが、それも含めて楽しんでいただけたりもしました。バグ出してしまったのに本当にありがたいことです。。
すげぇ試合撮れたからみんな見て pic.twitter.com/7k5RGGEQ58
— しょーじ (@shtnp) 2017年12月7日
12月に入りいろいろなメディアでも記事にしていただけることが増えていき、ねとらぼさんが書いてくださった記事はYahoo!のトップにも掲載していただき更にいろんな方に遊んでいただけるようになりました。
なにこれ……!
— ねとらぼ (@itm_nlab) 2017年12月3日
「中毒性が異常」「どう森を超える神ゲー」――無名のフリーゲーム「どうぶつタワーバトル」がなぜか突然流行りはじめた4つの理由 - ねとらぼ https://t.co/Cbae208VsZ @itm_nlab pic.twitter.com/roHblVXiyG
どこの無名ゲームだ…
— Yuta Yabuzaki (@planet12app) 2017年12月3日
ヤフーさんねとらぼさんありがとうございます🙇 pic.twitter.com/XtymlWDd4h
いろんなYouTuberの方々や実況者の方々も動画たくさん作ってくださいました。
シロクマ置いたのぼくです!!!!😃✨ pic.twitter.com/jBgcAPU73S
— はじめしゃちょー(hajime) (@hajimesyacho) 2018年1月1日
(これヤギが前に倒れてしまいそうで、僕はここにシロクマ置けない、、すごい、、)
そして12月4日に「どうぶつタワーバトル」がAppStoreのランキング1位を取りました。
泣きました。
近年のランキングで個人で広告費なしで1位を取ることは奇跡的だと聞きました。
遊んでくれた方々のおかげだと心から思いますし、恵まれているなと思います。
どうぶつタワーバトルAppStore1位とりました…!
— Yuta Yabuzaki (@planet12app) 2017年12月4日
わけがわからなくて言葉は出なかったけど涙は出ました…
たくさんの方が遊んでくれて、広めてくださった結果なのでとても嬉しいです。本当にありがとうございます🐥#どうぶつタワーバトル #DTB pic.twitter.com/7Nic3gsmMO
ただそれまで同時接続多くて5人程度で動いていたアプリが急に同時接続数万人という規模になっていた上に、自分のプログラムの甘い面がサーバーに負荷をかけてしまっていたりして、接続が安定しない時間も頻繁に発生してしまいました。
この時間はせっかくたくさんの方が遊んでくれようとしているのに待ち時間に積むように設定していたひよこ積むゲームになってしまっていたので、本当につらかったです。。
12月はサーバーの料金も200万以上になっていたので、収益面も考えなければいけませんでした。
修正しないといけない部分もとても多く、体はプレッシャーをやっぱり感じていたようで、何度か吐いてしまっていました。
そういった苦しさもあったのですが、自分が1度あきらめてしまったアプリをたくさんの方が面白いと言ってくれていて、盛り上げてくれていることがその何百倍も嬉しかったです。
メールやツイッターのDM・リプなど全く返せていなくてすみませんでした。。
(1ヶ月誰とも会話をしない状態も普通になってしまっているので当たり前なのですが、)大学を卒業してからの3年間で自己嫌悪と鬱はさらに悪化していてもうダメだと思うことも何度もあり、それでも少しでも自分の作ったものを誰かに楽しんでもらえることだけに生きる意味を感じていたのでこれ以上の幸せはありませんでした。
急激に病む
1月に入り少し体調を崩してしまいました。
そしてその間にメンタルの調子も崩してしまいました。
バグやレートの部分などで不完全なところがまだまだあるので仕方ないのですが、「死ね」ってメールもよく届き、その度に気が滅入るようになりました。
ありがたいことにコラボなどいろんなお話をいただくようになった反面、全てに上手に対応しようとして迷惑をかけてしまったり苦しくなってしまったり、開発に専念することができなくなってしまったり。
相変わらず今もなかなか返信ができていないですが。。
以前から数日間バーっと作業して、それから電池が切れたように布団からでれなくなってしまうような生活をしていて、時間配分や休憩の取り方など下手すぎると思っていたのでこの辺もなんとかしたいなと思います。
技術とかお金とか
技術
どうぶつタワーバトルがきっかけでアプリを作りたいと思って勉強を始めたというメールを何件かいただきました。
謙遜とかでなく技術的に僕は秀でている部分は特になく、絵も描けないのですが、それでも面白いと言ってもらえるものを作れたのでぜひ何か自分の作りたいものを作るきっかけになったら嬉しいです。
どうぶつタワーバトルはゲームエンジンにUnity,サーバー側にPhotonを使わせていただいています。とてもお世話になっています。
いろいろな素晴らしいサービスや情報のおかげで個人でもいろんなアプリが作れるように日々なっていると思います。
(ただマーケティング込みで考えないとヒットさせるのはとても難しくなっているとも思います。)
僕も普通に本買ったり、Udemyの講座とったりして勉強しています。
お金
遊んで暮らせるほどのお金!みたいなほどは全く稼いでいないのですが、大学を卒業してからの年収って100万〜300万くらいだったので、大きなお金が入ってきました。
作りたいもの作れる今の生活を継続できることと、次にどうぶつタワーバトルのような人がいないと成り立たないようなアプリを作った時にちゃんと広告費にも使えるかもしれないことが嬉しいです。
これから
まだまだどうぶつタワーバトルもやらなきゃいけないことたくさんあるのでアップデートしていくつもりです。
新しいどうぶつもまだバランスなどテスト中ですが、追加してみようと思います。以前遊んでいてくれた方もまた遊んでみたりしていただけたら嬉しいです、、!
新しいアプリなど作っていきたい気持ちもすごくあるのでまた一つ一つ楽しみながら積み重ねてやっていきたいです。
自分の生活面もこのままじゃさすがにやばいというのも痛感したので、もうちょっと外出たりとかいろんな人と話すようにしたりとかちゃんといろんなこと楽しめるようにも少しずつしたいなーと思います。
おわり
結局全く上手に書けている気はしないのですが、遊んでくれているみなさんにとても感謝していますってことを伝えたいだけだと思います、多分。
ありがとうございました!